乳酸菌で若さを保つ
腸内細菌と若さの関係
「いくつになっても若々しく」いつの時代も変わらぬ願いです。老化は誰もが避けることができませんが、少しでも若さを保つことができないのでしょうか。
アンチエイジングにはスキンケアなど体の外側からのケアばかりでなく、体の内側からのケアも大切です。そこで近年になり注目されているのが腸内細菌です。
私たちの腸内には重さにして約1.5kg、種類にして500~1000、数にして100兆個以上の腸内細菌が生息しています。
腸内環境が悪いと栄養素をしっかり吸収できない
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アンチエイジングで大切なのがバランスの良い食生活です。エネルギーを体内に循環させて、新陳代謝を高めるにはビタミンやミネラルが不可欠で、これらの栄養素には抗酸化作用もあります。
しかし、せっかく良質な栄養素を摂っても、消化吸収してエネルギーに変える腸の働きが弱ければ効果は期待できません。
そこで鍵となるのが腸内細菌なのです。善玉菌を活性化させて悪玉菌を抑制し、腸内細菌のバランスを改善することが、若さを保つために必要です。
加齢によって低下する腸の免疫機能
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また腸内細菌は外から侵入してきた細菌やウィルスから身を守り、体外へ排出する腸管免疫の働きを助ける重要な役割を担っています。この機能は加齢により低下していきます。
腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスが改善されると、腸管免疫の機能を高めることができると言われています。
腸内細菌はアンチエイジングに欠かせない酵素を作り出す
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ほかにも腸内細菌は酵素とも密接に関係しています。巷では酵素ドリンクや酵素サプリが人気を集めていますが、食べ物の消化吸収を促進し代謝を上げてくれる酵素はアンチエイジングには欠かせません。
腸内細菌には酵素を作り出し食べ物を分解してエネルギーに変える働きがあります。消化が難しい食物繊維や海藻を分解できるのは腸内細菌が作り出す酵素のおかげです。
悪玉菌の増殖は老化の原因に
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悪玉菌は食べ物を腐敗させて溜め込み、そこからアンモニアなどの有害物質を作り出します。それはやがて血流に乗って全身に回り、肌や血管を老化させる原因となります。
私たち人間は、生後間もない赤ちゃんのときには腸内細菌の9割を善玉菌が占めています。しかし加齢とともに善玉菌の数は減っていき、悪玉菌が増えていきます。
加齢のほかにも不規則な食生活、ストレス、疲労、睡眠不足なども善玉菌の働きを弱らせる原因となります。
このような状態が続くと、便秘や下痢などのお腹の不調だけでなく、肌荒れやニキビ、風邪などの感染症を引き起こしやすくなります。
不健康な人は老けて見られますから、悪玉菌の増殖を抑えて健康を保つことはとても重要です。
乳酸菌でアンチエイジング
善玉菌の働きを活性化させるために摂りたいのが乳酸菌です。
その中でもプロバイオティクス(※1)と呼ばれる乳酸菌は、生きて腸まで届くため、より高い効果が期待できるとされています。
その理由は、乳酸菌には乳糖から乳酸を作り出すことで、腸内環境を善玉菌に適した酸性に変える働きがあるからです。
また、同じくプロバイオティクスと呼ばれるビフィズス菌は、乳酸よりも殺菌力の高い酢酸を作り出します。この酢酸には大腸のバリア機能を高める働きがあるほか、老化にも繋がる炎症を抑える働きがあります。
乳酸菌はヨーグルトや乳酸菌飲料のほか、チーズ、漬物、味噌、醤油、甘酒などの発酵食品に含まれています。これらの食品を意識的に摂ることで、アンチエイジングに繋げることができるのです。
(※1) 私たちの体に良い作用をもたらし、腸内細菌のバランスを改善してくれる微生物。代表的なものにブルガリア菌、ビフィズス菌、納豆菌などがある。
研究で明らかになった若さを保つ乳酸菌
明治乳業とフランスのパスツール研究所は2014年にある共同研究結果を発表しました。それは乳酸菌には加齢によって腸の機能低下と腸内フローラの老化を防ぐ働きがあるという驚きのものでした。
発表によると、人間では80歳に相当する8ヶ月のマウスにLB81乳酸菌を含んだヨーグルトを20ヶ月摂らせたところ、
悪玉菌や病原菌を攻撃する殺菌作用を持つ抗菌ペプチドの産生を促進し、若いマウスの腸内フローラに近づくという結果になりました。
この実験では若いマウスにも効果があったといい、大腸炎を発症させたマウスで検証するとLB81乳酸菌を摂らせることで炎症が抑えられることが確認されました。
つまり日常的にLB81乳酸菌を含んだヨーグルトを摂ることで、老化による腸管バリア機能の低下と、加齢による腸疾患を抑える可能性があるというのです。
今回の研究では免疫にも良い影響を与えることができ、腸だけでなく全身の健康維持にも繋がると推定されています。
アンチエイジング効果が認められている乳酸菌
以下の乳酸菌はアンチエイジングに有効だと認められています。
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・LB81乳酸菌
LB81乳酸菌は、ブルガリクス菌とサーモフィラス菌を組み合わせて作り出されました。
LB81乳酸菌を取ることで、悪玉菌が減少して善玉菌が増加することが認められています。さらに腸管バリア機能の低下と腸の老化を防ぐ働きがマウスを使った試験で認められました。・プラズマ乳酸菌
キリンが小岩井乳業と協和発酵バイオの共同研究で開発した乳酸菌です。一般的な乳酸菌とは違い、大腸ではなく免疫細胞のある小腸に吸収されるのが特徴です。プラズマ乳酸菌はマウスによる試験でアンチエイジング効果が確認されています。老化促進マウスを2つのグループに分けて、生後5週齢から82週齢まで飼育して、毛の艶や行動を分析しました。
その結果、プラズマ乳酸菌を摂らせたグループの老化の進行は摂らないマウスの6割程度でした。ほかにも筋肉の減少抑制や、肺・肝臓の疾患を防ぐ効果も認められました。
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