ヨーグルトと乳酸菌の関係
ヨーグルトと乳酸菌の関係
ヨーグルトは牛乳に種菌となる乳酸菌を加えて発酵させた食品です。種菌にはブルガリクス菌やサーモフィラス菌を組み合わせるのが最も一般的です。
それぞれの菌には異なる性質があり、上手く併用することでお互いの乳酸発酵の力を高めて短時間でヨーグルトを作っています。
乳酸菌には牛乳に含まれる乳糖を分解し乳酸を作り出す働きがあり、この乳酸によって牛乳に含まれる乳たんぱく質の一種カゼインが固められヨーグルトとなります。
乳酸はヨーグルトにさわやかな酸味を与え、適度な固さとなることで滑らかな食感が生まれます。さらにヨーグルトを酸性に変えることで、腐敗菌や病原菌の増殖を防ぎ、保存性を高めてくれます。
またお腹が緩くなる原因の乳糖が分解されるため、牛乳が飲めない人でもヨーグルトなら食べることができます。
ヨーグルトの定義
日本では厚生労働省の乳等省令で定められた「発酵乳」がヨーグルトにあたります。
成分は「無脂肪固形分8%以上、1mlあたりの乳酸菌数が1000万以上、大腸菌群が陰性」と定められていますが、乳酸菌の種類は決められていません。
世界ではFAOとWHOによって1977年に、ヨーグルトはブルガリクス菌とサーモフィラス菌の両方の菌を使って乳酸発酵させた凝固乳製品と定められています。
ヨーグルトの種類
プレーンヨーグルト
牛乳に乳酸菌だけを加えて発酵させたもので、糖類や凝固剤を添加しない無糖のヨーグルトです。
ハードヨーグルト
日本で最初に作られたヨーグルトで、脱脂乳を原料に寒天やゼラチンで固めて作ります。
ソフトヨーグルト
原料をタンクで発酵させたあと、固まったヨーグルトを攪拌してから冷やしたもので、撹拌型ヨーグルトとも呼ばれています。
ドリンクヨーグルト
原料をタンクで発酵させたあと、固まったヨーグルトを混ぜて均一にしたあと液状にしたものです。
フローズンヨーグルト
発酵させたヨーグルトを混ぜて凍らせたものです。乳酸菌は休眠状態ですが生きています。
ヨーグルトの栄養価
ヨーグルトには牛乳から作られているため、栄養価は牛乳と同じです。良質なたんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンをバランスよく含んでいます。
乳酸菌がたんぱく質をアミノ酸やペプチドに分解し、カルシウムが乳酸と結びつくことで体内で吸収されやすくなります。
・プレーンヨーグルト100gあたりに含まれる主な栄養素
たんぱく質 | 3.6g |
---|---|
脂質 | 3.0g |
炭水化物 | 4.9g |
カルシウム | 120mg |
カリウム | 170mg |
ビタミンA | 33μg |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.14mg |
ビタミンC | 1mg |
ビタミンE | 0.1mg |
コレステロール | 12mg |
(※1)五訂日本食品成分表から
ヨーグルトの製造工程
市販のヨーグルトの製造工程は大きく分けて2つのタイプに分かれています。原材料を混合し、殺菌・冷却後にスターターの乳酸菌を添加して、
すぐに容器に充填して発酵させる「後発酵型」のヨーグルトにはプレーンヨーグルトやハードヨーグルトなどがあります。
一方、原材料を混合し殺菌・冷却、スターターの添加までは同じですが、その後にタンク内で発酵させてから容器に充填する「前発酵型」のヨーグルトにはソフトヨーグルトやドリンクヨーグルトなどがあります。
ヨーグルトを食べるタイミング
多くの乳酸菌は胃酸や胆汁に弱く、腸内で長く留まることができません。そのためヨーグルトを日々の食事やデザートとして習慣的に摂り続けることが大切なのです。
ダイエット中で朝食をヨーグルトだけにしている、小腹を満たすためにヨーグルトを食べているという方も居ますが、空腹状態では胃酸が活発になってしまうため乳酸菌にとって悪影響です。
食べるタイミングとしては胃酸が薄まる食後がおすすめです。またヨーグルトは時間が経つほど乳酸菌が減っていくと言われています。製造年月日を確認し期限内に食べましょう。
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