ラクトフェリンと乳酸菌を一緒に摂るメリットは
ラクトフェリンとは
ラクトフェリンは人間や多くの哺乳類の母乳に含まれているたんぱく質の一種です。1939年にデンマークのゼーレンセン博士によって牛乳から発見されました。
鉄と結合する力がとても強く、ラクト=乳に含まれる、フェリン=鉄を結合してタンパク質に変えることからラクトフェリンという名前がつきました
ラクトフェリンは母乳に多く含まれていて、生まれたばかりの赤ちゃんを感染症から守り健康に育てる大事な役割を果たしています。
出産後数日間に分泌される初乳に最も多く含まれ、その量は100ml当たり約600mgにもなります。これはコップ1杯の水に角砂糖を半個分溶かしたのと同じ割合です。
ラクトフェリンは低温殺菌した牛乳にも含まれています。しかし、その濃度は母乳の1/10程度でしかありません。
ラクトフェリンと乳酸菌の共通点
乳製品に含まれ、腸内環境を整える
タンパク質であるラクトフェリンと微生物である乳酸菌は全く異なる物質ですが、意外にもその働きには共通点があります。どちらも腸内環境を整える作用を持つ成分であり、牛乳などの乳製品に含まれている点は同じです。
免疫力を高める
ラクトフェリンには抗菌・抗ウイルス作用があり、腸管免疫に作用することで、感染症やがんを予防する効果があることが分かっています。
新生児の敗血病、ノロウイルス胃腸炎、風邪などを予防し、病原菌O157やピロリ菌の抑制、歯周病の改善など、さまざまな病気から守ってくれます。
さらに免疫細胞の一つであり、がん細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞の働きを活性化させることで、免疫力を高める働きももっています。
乳酸菌にも腸管免疫に働きかけることで免疫力を向上させ、風邪やインフルエンザを予防する効果が認められていて、この点も共通しています。
ラクトフェリンと乳酸菌の違い
乳酸菌は増殖できるが、ラクトフェリンは自ら増えることはない
タンパク質であるラクトフェリンは栄養成分に過ぎませんが、微生物である乳酸菌は自ら増殖する力を持っています。
乳酸菌は発酵によって培養させることができますが、ラクトフェリンはヨーグルトなどに入れても自ら増えることはありません。
人の体内で生息する場所が違う
人の体内でラクトフェリンは母乳のほかに鼻水、唾液、涙、白血球からも分泌されますが、乳酸菌は主に腸内に生息しています。
牛乳などに生息している動物性乳酸菌は酸に弱い性質を持つため、胃を通ったときにその多くが胃酸によって死滅してしまいます。
一方、ラクトフェリンは胃で分解されますが、このときに一部は消化されずにそのまま腸まで届き、一部は胃で消化を受けることによってより強力な抗菌作用を持つ「ラクトフェリシン(R)」という物質になります。
乳酸菌にはないラクトフェリンの効果としては、鉄を吸収調整することによる貧血予防、抗炎症作用による大腸炎などの予防、さらにはドライアイ、骨粗しょう症の予防にも有効です。
ラクトフェリンと乳酸菌を一緒に摂るメリット
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ラクトフェリンは鉄と結合する性質を持っています。一方、腸内に住む悪玉菌は鉄分をエサとすることで増殖しています。ラクトフェリンが腸内に届くことで、悪玉菌から鉄を奪い取り、その増殖を抑制してくれるのです。
乳酸菌は生きて腸まで届くことで、糖を分解して乳酸を作り出します。腸内のpHを下げて、善玉菌の活動に適した腸内環境に変える働きがありますが、悪玉菌を抑制するラクトフェリンと善玉菌の増殖を促す乳酸菌はとても相性が良い組み合わせです。
さらにラクトフェリンにはビフィズス菌を増やす働きもあるため、乳酸菌との相乗効果で腸内細菌のバランスを改善することができます。
ヨーグルトとラクトフェリンを一緒に摂ろう
ラクトフェリンを含む食品
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ラクトフェリンは熱に弱い性質を持つため、高温で加熱されると本来持つ形や活性を失ってしまいます。そのため高温殺菌された一般的な牛乳やプロセスチーズなどにはほとんど含まれていません。
低温殺菌牛乳やゴーダチーズやチェダーチーズなど熱殺菌されていないナチュラルチーズには微量ですが含まれています。
ラクトフェリン配合のヨーグルトがおすすめ
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上記したとおり、ラクトフェリンは一般的な食品からでは摂りにくいため、ラクトフェリンを配合したヨーグルトなどの機能性食品やサプリメントから摂るほうが効率的です。
現在、ラクトフェリンの活性を維持しながら、大量に抽出する製造方法が開発されていて、ヨーグルトやサプリメントなど多くの製品に応用されています。
中でもヨーグルトは腸内環境を整える効果があるため相性が良いことから注目され、ラクトフェリンを配合したヨーグルトが製造販売されています。
アレルギーと摂取量に注意
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ヨーグルトに含まれるラクトフェリンは、牛乳からチーズを作るときに出るホエイ(乳清)という液体や、殺菌前の牛乳から抽出しています。
食品由来の原料から作られているため安全性は確かですが、牛乳アレルギーのある方は摂ることができませんので、注意してください。
なおラクトフェリンの摂取目安量については、はっきりとしたデータはないため摂取上限などは特にありませんが、市販のラクトフェリン入りヨーグルトの1日当たりの摂取目安量は100g程度となっています。
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