乳酸菌で皮下脂肪対策
皮下脂肪とは
皮下組織に溜まる脂肪
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中高年に多い肥満とメタボリックシンドロームは、動脈硬化や心臓疾患、さらには糖尿病などの生活習慣病に繋がるためなんとかしたいものです。肥満とは単純に体重が重い状態ですが、その多くは体に必要以上の脂肪が蓄積されている状態のことを指します。
脂肪のつき方には男女によって違いがありますが、肥満は脂肪の分布の仕方によって「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」の2種類があります。
このうち皮下脂肪型肥満は、皮膚の下にある皮下組織に脂肪が溜まる肥満で、太ももやお尻といった下半身に脂肪がついて太くなったり、大きく見えたりするのが特徴です。その体型から洋ナシ型肥満と呼ばれることもあり、女性は男性よりも皮下脂肪がつきやすい傾向にあります。
皮下脂肪は落としすぎも良くない
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体型として現れやすいため、スタイルを気にする女性にとっては少しでも減らしたい皮下脂肪ですが、生活習慣病などに繋がる内臓脂肪とは違って病気のリスクが低く、体に必要な脂肪でもあります。
断熱効果があり体を寒さから守ってくれますし、栄養が足りなくなったときにはエネルギー源として活用することができます。さらに衝撃を吸収してクッションのような役目を果たし、怪我のリスクも下がります。そのため皮下脂肪の落としすぎも良くありません。
皮下脂肪を落とすには代謝を上げる必要がある
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皮下脂肪がいくら体に必要な脂肪とはいっても、過度に脂肪が蓄積されている状態は「太っている」と周りから見られますし、スタイルを気にしている女性であれば、お腹周りを中心に皮下脂肪を落としてすっきりしたいと考えるでしょう。
ではどうしたら余分な皮下脂肪を落とすことができるのでしょうか?
脂肪を燃焼させるためには適度な運動と食事制限が必要で、運動はジョギングなどの有酸素運動と筋トレなどの無酸素運動を組み合わせるのが効果的です。
ところが基礎代謝が低下していると、脂肪の燃焼が妨げられてしまいます。基礎代謝とは、呼吸や心臓の拍動などで、私たちが生命維持のために最低限消費しているエネルギーのことです。代謝が落ちている状態でいくら運動しても、脂肪はなかなか燃焼してくれず、思うように皮下脂肪を落とすことができません。
運動による脂肪燃焼効果を上げるためには、基礎代謝をアップさせて、痩せやすい体に変える必要があります。
代謝と腸内環境の関係
腸は栄養の吸収と老廃物の排出を担う
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代謝を上げるためには腸内環境を改善する必要があります。腸は食べ物を消化吸収し、余分な老廃物を便として排出する大事な器官ですが、その働きを左右しているのが腸内細菌です。
私たちの腸内には500種類以上、数にして100~1000兆もの腸内細菌が生息していて、種類ごとにまとまり腸内フローラを形成しています。
腸内細菌には乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌、そのどちらにも属さない日和見菌があり、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が理想のバランスです。
腸内環境の悪化は不要な脂肪を溜め込む原因に
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ところが、腸内環境の悪化によって悪玉菌が増殖すると、日和見菌が悪玉菌に味方をして、腸の働きを低下させて効率的な消化吸収ができなくなります。
悪玉菌は食べ物を腸内に溜め込んで腐敗させ、そこからアンモニアや硫化水素などの毒素を作り出し、代謝の低下や便秘や肌荒れを引き起こします。
さらに悪玉菌によって腸内に溜め込まれた食べ物から余分に脂質や糖質までもが吸収されてしまい、体脂肪として蓄積されていきます。不要な脂肪まで体に溜め込んでしまうため、皮下脂肪や内臓脂肪がつきやすくなります。
乳酸菌には代謝を上げる作用も
そこで摂りたいのが乳酸菌などの善玉菌です。生きた乳酸菌やビフィズス菌は、腸内で糖を分解して大量の乳酸や酢酸を生成することで、腸内環境を善玉菌の増殖に適した弱酸性に変えてくれます。
腸内で善玉菌が増殖すると、悪玉菌が抑制されるため余分な脂肪が吸収されることもなくなり、腸の腐敗物が少しずつ排出されていき、食べ物の消化吸収が促進されます。
これによって低下していた代謝が元に戻り、太りやすい体から痩せやすい体へと変わります。
こうなれば運動によって自然に皮下脂肪が燃焼されるため、気になるお腹周りや太ももの脂肪が落ちてスリムな体型へと変わっていきます。
皮下脂肪を落とすためには日々の生活で乳酸菌などの善玉菌を積極的に摂り、腸内環境を整えることが大切です。
ヨーグルトを食べて皮下脂肪対策
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乳酸菌を含む代表的な食品と言えばヨーグルトですが、近年の研究ではさまざまな健康効果が認められています。そのうちの一つに脂肪の吸収を抑制し、皮下脂肪を落とす効果があり注目されています。
雪印メグミルクが行った試験では、肥満傾向のある男女87名を2つのグループに分け、そのうちの一方のグループにガセリ菌SP株を含むヨーグルトを1日2個(1個100g)、12週間摂ってもらいました。
その結果、摂取前と比べて皮下脂肪が3.3%、内臓脂肪が4.6%減少し、ウエストサイズ、体重、BMI、ヒップサイズの数値も改善されました。
皮下脂肪を落とす効果が認められた乳酸菌の種類
以下の乳酸菌には皮下脂肪を落とす効果が確認されています。
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・ガセリ菌SP株
正式名称はラクトバチルス・ガセリ・SBT2055株、雪印メグミルクが日本人から発見したヒト由来の乳酸菌です。
酸に強い性質を持ち、胃酸や胆汁に負けることなく生きて腸まで届くプロバイオティクスの乳酸菌で、最大90日と長く腸内に留まります。
ガセリ菌SP株には小腸で働くことで脂肪の吸収を抑制し、皮下脂肪や内臓脂肪を落とす作用が認められています。・ビフィズス菌B-3株
森永乳業が2002年に健康な乳児の腸から発見したビフィズス菌です。2008年には動物実験で抗メタボリックシンドローム作用を発見し、2011年には肥満を改善する働きを示す特許を取得しました。
このような研究成果は、何度も学会で発表され、世界10カ国以上で特許を取得しています。B-3株は脂肪の蓄積を抑制する酢酸を腸内で作り出すことで、腸のバリア機能を回復させる作用があることが分かっています。
高脂肪フードによって太らせた肥満モデルマウスを使った試験では、B-3株を1日100億個摂らせ、CTスキャンで観察しました。その結果、皮下脂肪と内臓脂肪の両方が減少していることが確認されました。
これによって脂肪の蓄積が抑制し、体重を落とし、皮下脂肪や内臓脂肪を減少させる効果が期待されています。・CP1563株
カルピスが保有するヒトの腸内から発見されたラクトバチルス属の乳酸菌です。膨大な微生物ライブラリーの中から脂肪燃焼を促す体質物質PPARαを活性化する作用の高い菌を選び出しました。
乳酸菌を丸ごと粉砕することで、有効成分を小腸で吸収しやすくしているのが特徴で、殺菌されていますが効果に影響はありません。CP1563株は脂肪を燃焼させる体の仕組みに注目し、脂肪燃焼を促進する核内受容体PPARαを活性化することで、脂肪の燃焼を促します。
やや肥満から肥満の方(BMI25~30)200名を対象に行った試験では、2つのグループに分けて一方のグループにはCP1563株を含む飲料を1日1本12週間摂ってもらいました。
その結果、CP1563株を含む飲料を摂った人は摂っていない人と比べて、皮下脂肪と内臓脂肪を合わせた体脂肪面積全体が減少することが認められました。また体脂肪面積が大きい人ほど効果が高いことも分かりました。
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