メインイメージ メインイメージ

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違い

乳酸菌にも植物性と動物性がある

乳酸菌と聞くとヨーグルトなどの乳製品をイメージしますが、それ以外にもたくさんの食品に含まれています。たんぱく質に植物性と動物性があるように、乳酸菌にも植物性と動物性があるのです。

詳細を読む

二つの乳酸菌の最大の違いは住む場所です。
植物性乳酸菌は野菜、豆、米、麦といった植物由来の食品に住む乳酸菌で、動物性乳酸菌は主に牛乳など動物の乳に住む乳酸菌です。
醤油、味噌、漬物など発酵食品に乳酸菌は含まれています。牛乳にも殺菌処理する前は乳酸菌が含まれています。
育つために必要なエサも違います。
植物性乳酸菌は野菜などに含まれるブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖などをエサとして生育し、動物性乳酸菌は乳に含まれる乳糖をエサとします。
植物性乳酸菌の種類はとても多く、動物性乳酸菌は20種類ほどなのに対してその約10倍あると言われています。歴史も植物性乳酸菌のほうが長く、数千年前には食材の保存に使われていました。

生命力の強い植物性乳酸菌

植物性乳酸菌の一番の特徴は生命力の強さです。移動することができない植物は乾燥や高温に晒されやすく、他の菌とも共存する必要もあり、栄養にも乏しく菌にとっては過酷な環境です。
厳しい環境でも生き抜く植物性乳酸菌は、アルカリや酸、温度変化に強くさまざまな食品に存在することができるのです。この特徴は発酵食品作りに活かされています。

そんな植物性乳酸菌は胃酸や胆汁酸で死滅せず生きて腸まで届きます。近年はこの点に着目し、ヨーグルトや乳酸菌飲料にあえて植物性乳酸菌を採用するメーカーも増えてきました。
体に良い作用をもたらす善玉菌のことをプロバイオティクスと呼びますが、菌が生きて届くことで腸内フローラのバランスを改善することができるのです。

善玉菌の増殖を助ける動物性乳酸菌

どんな環境でも生き抜くことが出来る植物性乳酸菌とは違い、動物性乳酸菌は動物の乳などの栄養が豊富な場所でしか生育できません。
そのためほかの菌とは共存することができませんし、多くの菌は熱や酸に弱く、腸に届くまでに胃酸や胆汁酸で死滅してしまいます。
しかし、動物性乳酸菌はたとえ死滅してしまっても、腸内で善玉菌のエサとなることで増殖を助けてくれます。
また各メーカーでは熱や酸に強く腸まで生きて届きやすい動物性乳酸菌の研究にも力を入れていて、そのような乳酸菌を採用した商品も登場しています。

植物性乳酸菌を含む食品

詳細を読む

日本では醤油、味噌、漬物、甘酒などさまざまな食品の発酵に植物性乳酸菌が利用されてきました。
その中でもぬか漬け、しば漬け、野沢菜漬けといった伝統的な漬物には多くの乳酸菌が含まれています。
最近では乳酸菌入りのチョコレートがちょっとしたブームを呼んでいます。このチョコレートには京都の伝統的な漬物である「すぐき漬け」から発見されたラブレ菌が使われています。
植物性乳酸菌を使った発酵食品は世界中にあります。日本でも身近な韓国のキムチ、中国のザーサイ、ドイツのザワークラフトが特に有名です。

ただしこれらの発酵食品に含まれる乳酸菌の量はまちまちです。ヨーグルトのように明確に乳酸菌の量が決められているわけではないのです。
市販されている漬物の中には、充分に発酵させずに調味液と添加物で色と風味をつけているものもあります。表示を確認して少しでも良い商品を選びましょう。

近年では植物性乳酸菌を豊富に含む伝統的な発酵食品は健康に良いと見直されています。漬物には善玉菌のエサとなる食物繊維が多いのも魅力です。
しかしこれらの食品には塩分も多く含まれています。塩分の摂り過ぎは脳卒中や高血圧の原因となりますから、いくら健康に良くても食べ過ぎには注意しましょう。

動物性乳酸菌を含む食品

詳細を読む

動物性乳酸菌を多く含む食品と言えば、ヨーグルト、チーズ、発酵バターといった乳製品です。
乳製品以外にも肉にも乳酸菌が生息しており生ハムが有名です。ほかにも塩辛、くさや、鮒寿司、アンチョビ、ニシンの塩漬けなどにも動物性乳酸菌は使われています。

バランス良く摂ることが大切

詳細を読む

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌は、それぞれ働きが異なります。植物性乳酸菌は生きて腸まで届くのがメリットですが、塩分が多く含まれているのがデメリットです。
動物性乳酸菌はヨーグルトなど毎日食べられる乳製品に多く含まれていますが、熱や酸に弱いのがデメリットです。どちらかに偏るのではなく、バランス良く日々の食生活に摂りいれましょう。

関連記事の一覧