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乳酸菌は冷凍しても良いのか

乳酸菌は冷凍保存できる

お腹の調子を整えてくれる乳酸菌はヨーグルトや漬物などの発酵食品から摂ることができます。とはいえ発酵食品をその都度買いに行くのはちょっと大変です。そこでまとめ買いをして冷凍保存できればと考える方もいるでしょう。

結論から言えば乳酸菌は冷凍保存が可能です。乳酸菌を0℃以下の環境に置くと、活動が停止して休眠状態になりますが生きています。
温めると活動を再開して発酵を行い、乳酸菌が持つ力が低下することはありません。ただし乳酸菌が休眠できる期間には限りがあるようで、長期間冷凍すると菌の数が少しずつ減少していきます。

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冷凍した乳酸菌の性質

乳酸菌は冷凍しても死滅しない

乳酸菌は50℃以上の高温に弱い一方で低温には強いとされています。0℃以下の環境に置くと、乳酸菌は菌体を守るために休眠状態に入ります。
完全に活動が停止しますが、それでも生きることができるのが乳酸菌の強みです。温めれば活動を再開して、これまでと同じように発酵を行って乳酸や酢酸などの有機酸を生成します。冷凍しても乳酸菌の力が落ちることはありません。

関連記事:ヨーグルトを加熱したら乳酸菌は死滅する?

冷凍することで過発酵を防ぐことができる

乳酸菌の中でも動物性乳酸菌(※1)は酸に弱い性質があります。この酸には胃酸などの消化液だけでなく自らが生成した酸も含まれます。その中でもビフィズス菌は特に酸に弱く、発酵が進みすぎると自らが生成した酸によって死滅してしまいます。
乳酸菌は冷凍すると活動が停止して発酵を完全に止めることができます。つまり冷凍することで過発酵を防ぐことができるのです。
この性質を生かしてフリーズドライした乳酸菌の菌末が市販されています。冷凍させた後に乾燥させることで常温でも保存できるようになります。

(※1)牛乳や動物の腸内などに生息する動物由来の乳酸菌。

関連記事:動物性乳酸菌の優れている点

乳酸菌を家で冷凍するのはお勧めできない

乳酸菌を0℃以下の環境に置くと、完全に活動を停止して休眠することで生きることができます。しかし、休眠できる期間にも限りがあるようで、長期間冷凍すると乳酸菌の数が少しずつ減少していきます。
家庭ではメーカーが行っているような細かな品質管理は困難ですから、乳酸菌を家で冷凍するのはお勧めできません。またサプリメントや菌末は直射日光と高温多湿を避ければ常温で保存可能であり、冷凍庫で保存するメリットは特にありません。

凍らないギリギリの0℃で保存すると良い

一般的には0~10℃で保存する

乳酸菌の保存に最適な温度は0~10℃とされています。この温度であれば過発酵が起こりにくく、生きた状態で長期間保存できるからです。ただしこの温度であっても乳酸菌の発酵を完全に止めることはできません。
特に植物性乳酸菌(※2)は低温で発酵する性質があります。キムチなどの乳酸発酵させた漬物を冷蔵庫で何ヶ月も保存すると味が酸っぱくなりますが、これは低温でも少しずつ発酵が進むためです。

(※2)野菜や穀物の葉や茎、それらを発酵させた漬物などの食品中に生息する乳酸菌。

関連記事:植物性乳酸菌の優れている点

0℃で保存すると発酵を完全に止められる

凍らないギリギリの温度である0℃に保つと、乳酸菌は活動しないため発酵によって食品の酸味が増すことはありません。凍らせないため長期間保存しても乳酸菌の数が減少しにくいのもメリットです。
ヨーグルトであれば組織が破壊されず分離しないため、さわやかな風味と滑らかな食感を保つことができます。ヨーグルトや漬物などの発酵食品を家庭で長期間保存したい方は、0℃に保てるチルドルームや氷温室で保存すると良いでしょう。

フローズンヨーグルトは手作りよりも市販がおすすめ

ヨーグルトは一般的に0~10℃で冷蔵保存する必要があります。とはいえ凍らせたヨーグルトがシャーベットのようで好きという方もいるでしょう。
そんな方のために「フローズンヨーグルト」が市販されています。種類は普通のヨーグルトよりも少ないものの、アイス感覚でおいしく食べることができます。

ただし普通のヨーグルトを家庭の冷凍庫で凍らせると、組織の一部が壊れたり分離が進んで水分が多く出てしまいます。もちろん乳酸菌自体に影響はありませんが、ヨーグルト本来のさわやかな風味と滑らかな食感が損なわれてしまいます。
市販のフローズンヨーグルトなら、凍らせても風味が落ちないように加工されているので、買ってきてそのまま冷凍庫で保存できます。

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